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[パンデミックと経済危機] 突然だが・・・更新を再開する(2)

今回も前回掲載した表(4月4日のもの)を使って話を進める。事態は進行していて、数値は違っているのだが、話を継続させねばならないので同じ表を再掲する。
感染者数上位40ヵ国20200404

2020年4月4日、感染者数上位40ヵ国

  • 再度イスラエルの話題から始めたい。
    先日、いくつかの方面からイスラエルの抱える事情が聞こえてきた。どうやら宗教が高い感染率に影を落としているようだ。
    イスラエルは「ユダヤ人」の国家だ。その成り立ちを文書にするととてもきりがないので、興味のある方は是非独自で調べていただきたい。ユダヤ人の国家であるということは、その国民のほとんどがユダヤ教の信者であるということである。全員とは言わないがかなりの割合で、強固なユダヤ教徒が国民の大半を占めている国である。
    そうした彼らの行動様式は、公共の情報・ニュースなどには背を向けて、むしろ2200年前から受け継がれてきたユダヤ教の聖書(旧約聖書)に従った行動様式が重んぜられている。ゆえに、「科学」という名のついたもの一般は軽んぜられる傾向にあるという。例えばワクチン、外的ノイズ(新型コロナ騒動)。集団礼拝もやめることはないらしい。
    韓国でも、感染拡大の引き金は新興宗教が引いたと聞く。だが、彼らは国民の怒りの前におとなしく公の流れに従うことになったのだが、イスラエルはそうはならないだろう。
  • BCGの接種率が各国の感染率の差に影響を及ぼしているのではないかという話が、数日前から語られるようになってきた。BCGの接種が新型コロナの感染を押しとどめているか否かは、まだわかっていない。(参考:田中宇 BCGと新型ウイルスめぐる考察 https://tanakanews.com/200405bcg.htm )
    ただ欧米の、とりわけキリスト教・イスラム教・ユダヤ教の根強い国に感染が広がっているのは、宗教の独自のルールと関係あるのではないかとの推察である。
    ただ私は、それもあるだろうが宗教だけですべてを推し量ることはできないと思っている。
    ただし、このパンデミックは、今後宗教の在り方に強い影を落とすことは間違いないだろう。
  • 「検査数に対する感染率」は各国の新型コロナに対する姿勢の違いを露わにしている。
    特徴的なのはイランである。ほぼ70%という数値は、ほぼ発症してから検査をしているという後追いの状態であることを示している。宗教的要因が取りざたされているが、むしろアメリカによる経済封鎖の影響だろう。だから、6.19%という高い死亡率に対して、感染者数が比較的低いのはそういうことだと思う。まあ、イランからは正確な数字が出てはこないだろうが・・・
  • 次に「検査数に対する感染率」が高い国は、スペインにフランス、オランダ、ベルギー、イギリス、アメリカ、イタリアと軒並み先進国が続く。何れも35%から20%となっていて、韓国の2.2%を大きく上回っている。一言でいうなら、「韓国は封じ込められたが、ヨーロッパ諸国は失敗した」ということだろう。この違いは何か?BCGか、宗教か、「韓国は先進国でない」ということか?マサカ!
  • アメリカの状況を考えてみたい。アメリカはまだまだ感染者、死者数ともに増えるだろう。その根拠はいろいろある。
    アメリカ人の半数は「進化論はウソ、でたらめである」と信じている。大半がUFOは地球に来ていると信じている。地球温暖化は「科学者」のでっち上げ事項であると思っている。ときりがないらしい。(ルポ 人は科学が苦手–アメリカ「科学不信」の現場から ・三井誠・光文社新書)
    要するに「公」に対する不信感が強いということと、論理的判断力が低いということなのでしょう。だから、目の前で死者が出なければどこまでも目を伏せたままになる可能性が高い。
    もうひとつ、これは重要なことだが、アメリカには公的健康保険がない。民間の保険はあるがとても高額で一般的所得の低い国民は、病院には行きたがらない。保険がないだけではなく、医療自体が高い。だから、ほとんどの下層のアメリカ人は家でじっとしているのだという。そのことを示す事実がある。
    2月6日のニュースだが、米疾病対策センター(CDC)によると2019年~20年のインフルエンザシーズンで1900万人が感染し1万人が死んだというのだ。また、17年~18年のシーズンでは6万人の死者を出したという。子供の死亡者も増えている。1ケ月前には、CDCのセンター長が「アメリカは新型コロナどころではない」との発言もある。
    要するに、感染症に対する社会的防御システムがきわめて脆弱な国だということだ。
感染症に対する社会的防御システムが脆弱であるということは、今ピークにあるヨーロッパ諸国にも当てはまる事項だと思っている。比較的裕福なドイツ以外は壊滅的状態に至っている。イタリアも
—-医療態勢の不足も大きい。イタリアでは財政健全化に向け医療関連の予算を削ってきた。仏紙レゼコーによると、同国では過去5年間で、病院など約760の医療機関が閉鎖されたほか、医師や看護師も足りていない。(日経)—-
と。
「財政再建」という言葉はよく耳にするが、掛け声をかける各国指導者のその意味と、受け取る国民の理解している意味が、実は大きくかけ離れているのではないだろうか。負担するのは国民である。しかし、求められた「財政再建」の結果に、巨大に膨れ上がった経済格差がその疑問を膨らませ、今回のパンデミックが、より現実味を帯びて考えさせられる事態に至っている。 今回は、ちょっと難しい話になった。申し訳ない。しかし、書かずにはいられなかった。