品質と価格の関係(本物とニセモノのあいだ2)

以下写真の精油は、プチグレンとネロリである。

ci2013-s1072

ご存じの方も多いと思われるが、ここで聞きかじった知識を一かじり。
オレンジはもちろんオレンジの実の皮を絞って取れたオイルである。ネロリはオレンジではないがそれに近い柑橘系(ビターオレンジ)の花の水蒸気蒸留法で採取したオイルである。一方、プチグレンはネロリと同じ(とは言い切れないが・・)柑橘系(ビターオレンジ)の葉を水蒸気蒸留して得られたオイルである。
そして、価格的にはずいぶんな落差がある。

当然ネロリは高額となる。理由は生産性の問題。オレンジの花をかき集めて作る精油と、腐るほど茂っているハッパを蒸留する作業の手間と効率の違いである。さらには、ジュースにする目的で栽培したオレンジの、残った皮から取れるオイル(もしかしたら、その関係は逆である可能性がある!)は、当然生産性は高くなるので価格の落差は当然だ。

しかし承知のように、アロマの世界にはもっと大きな落差がある。販売店間での価格差である。

プチグレンで比較する。
Jell では2種のプチグレンを取り扱っている(2013/5/10現在)。
ひとつはプチグレン・ビガラード(Citrus Aurantium イタリア)10ml / 450円。
もう一つはプチグレン・パラグアイ(Citrus Aurantium パラグアイ)10ml / 310円
ナチュラルローズではプチグレン(Citrus Aurantium パラグアイ)10ml / 240円
こんなに安くてダイジョウブ?・・という声が聞こえてきそうなのでついでに、
生活の木プチグレン・ビターオレンジ(Citrus Aurantium パラグアイ)3ml / 630円
他のちょっと高そうな瓶に入っているものの平均価格は、10ml / 1600円~2500円

その落差はおよそ10倍はある。何が違うのか。

一つ、一般的に流通しているパラグアイ産のプチグレンだが、イタリア産と比較するとワンランク落ちる。香りの強さは同等だが、何か芯が弱いと言うべきか、色気がないというべきか、鼻の奥深い処での感性を動かす一打が欠落しているようだ。パラグアイ産はビターオレンジではないという話も聞く。

しかし、その違いですら100円程度の違いだ。生活の木のプチグレンとナチュラルローズのプチグレンは、比較してみたが同一のものと思う。少なくともイタリア産のプチグレン・ビガラードほどの力強さは持っていない。この私の繊細ではない鼻でもワカルくらいの違いがある。

では、販売店での10倍もある価格の落差の違いとはなにか?

一般的に良く言われるのは(販売店の言い訳とも言うが、)成分分析表にかかるコストである。しかし、私は此処に、欺瞞の臭いを感じ取ってしまうのだ。

昔からの販売店は軒並み、プチグレンもラベンダーもオレンジも、10ml / 2000円位を価格のスタートにしているように思う。購入する顧客も、どちらかといえば希少な精油は「それくらいして当然」という感覚を持っているのではないだろうか。
だから、「2000円で売れるのだから、それで良いではないか!」という論理に落ち着いているような気がする。善し悪しは別にして、悲しいがな「高くないと売れない」、「高くないと満足できない」方が、金満日本にはたくさんいるのだ。

だから私は、10ml / 240円 などという「怪しげな」販売サイトからダメもとで購入し、確認し、「イケル!」という確信を深め、疑念を持ちつつも安心して購入している。

今のところこの「怪しげな」販売サイトの精油は、「精油」と言っているものは本物と思っています。そして、こうした精油の生産は、海外の安い労働力で作られている現実が、この低価格の原因と思っています。安いのではなく、これが実際の価格なのでしょう。

さて、プチグレンはネロリの代用品のように言われていますが、そんなことありません。とても使い勝手の良い精油です。使い方はラベンダーと同様でしょうか・・・。
殺菌力もあり、精神的作用も大きく、これも万能精油といえるでしょう。私は、持っていてもネロリを使わない理由に、プチグレンの方が好きだからです。実は、このプチグレンを使って、ネロリを偽和出来るのです。かなり近いです。でも、やっぱりプチグレンの方が私には合っています。

で、ネロリの偽和ブレンドを紹介します。

ブチグレン・ビガラード 2
マンダリン 2
オレンジ 1

プチグレンはパラグアイ産でも大丈夫です。でも手にはいるならイタリア産のビガラードをお勧めします。オレンジも良い物からそうでないものまで幅広くあります。Jellには良い物があるのでそこから入手されることをお勧めします。
くどいようですが、このブレンドは結構行けますよ!

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