メディカルアロマとしての可能性について(2)

一年半前の記事「メディカルアロマとしての可能性について」の、「その後」ということで一言触れておきたい。

円安はさらに進んだ。先の記事でも触れたが、価格の高騰ではなく、品薄という形で表れてきた。

一方、私の呼吸器疾患は本当によくなり、その為だけのアロマオイルの使用はめっきりと少なくなった。治療のための使用ではなく、楽しむための使用で事足りるまでになりました。
じつは、一度肌を荒らし、その治療のために、胸に全面的に塗ることは控えるようになりました。季節の変わりめなど、用心の時のみに限った使い方をしています。

胸の肌荒れには、クリーム等作って塗ったのですが、原因がキャリアオイルなのかアロマオイルなのか見極めることができず(いろいろ塗りたくっていたので)、1カ月あえて治療をしない期間を設けることで、自然治癒しました。

「過ぎたるは及ばざるが如し」

適時、肌を休ませることは必要ですね。日本エステル社のサイトを前回では紹介したが、この半年間に内容が大幅に変わったようです。以前は、より踏み込んだメディカルアロマの利用方法を紹介していたのですが、その内容のほとんどが書き換えられ、実に無難な、ありきたりの内容となってしまいました。

薬事法に触れることへの警戒なのか、自主規制なのかよくわかりませんが、貴重な情報が消え去り、私は実にがっかりしました。
しかし最近、「フランス式アロマセラピの情報サイト」として、ドメインを変更して再アップされたようです。
助かりました。

このサイトのアロマオイルの紹介には、ひとつ重要なことが書かれています。
それぞれの精油の使用方法が適切に紹介されているのです。

一般書では、暗黙の中で「芳香浴」での使用が前提とされていますが、このサイトでは、「飲用」「皮膚塗布」「芳香浴」のそれぞれで、適・不適が示されていることです。
つまり、一般に日本ではアロマオイルは「香りを楽しむもの」という位置づけで語られ、次に効能云々が語られるわけです。一方では、安全弁なのか、使い方の禁止事項ばかりが言われ、それぞれの精油の具体的使用方法には言及がないのです。
思えば、キャロットシードを購入して、「どうしてこれが良い匂いなのか」と理解できないことが多々あったわけです。また、ジンジャーは産地の違う何種かを同時購入して香りを確認しましたが、「冷めた心を明るく盛り上げる」と物の本に書かれた一文に、香りを確認して書いているのか疑いの目を向けざるを得ない、そんな香りでした。しかし、「フランス式アロマセラピの情報サイト」で、「キャロットシードは飲むか皮膚塗布が原則」、「ジンジャーは飲用」の方法を知り、「なるほど」と納得したわけであります。
芳香浴がまずありきで始まる、日本の解説書は矛盾がいっぱいなのです。
原液使用の禁止、飲用の禁止、肌塗布への神経質なまでの規制、そして一方では、それぞれの精油での使用適正表示の欠如。
精油一つ一つの具体的リスク評価があってこそ適切な使用が望めるわけです。一刀両断に「原液塗布はダメ」「飲んじゃダメ」では、私はかえって危険な状況を生み出しているのではないかと思っています。

index

「プロフッショナルのためのアロマセラピー」という書籍があります。もちろん翻訳本です。
7000円近い価格の本で、それぞれの精油に対してのトラブル事例が事細かに紹介されています。当然、「事例は報告されていない」という一文も含まれます。リスク評価を適切に紹介した、有用な書籍と思っています。

ちょっと熱っぽかったら風邪薬をポイポイ口に放り込む方が多いように思います。また、栄養剤や栄養補助食品を食事と同列で考えている方もたくさんいます。そんな日本に、効用とリスクを適時判断し健康を保っていくというメディカルアロマは、果たして浸透できるのでしょうか。もちろん、厚労省はこれを医療とは認めていないわけですが、「雑貨」で流通させるのは行政の放棄としか私には思えません。それとも、もっと深遠なる理由(特定の誰かさんを儲けさせるため?)が隠されているのでしょうか。

薬を大量投与するという医療が浸透した日本。医療費がどんどん削られる一方で、健康医療という考え方に立脚できない日本。深みへ深みへとどんどん進んでいるのではないかと心配しています。

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