本物とニセモノのあいだ

エッセンシャルオイルは100%天然であることが必須である。
しかし、そうとは言い切れないグレーゾーンがある。
今回は、その一種怪しきグレーゾーンを話題にしたい。

aromapro3-507

まだ右も左も解らない頃購入した2本がある。左はメリッサ、右はミモザ。しかも同じ販売元。
このそれぞれが、違う意味でのグレーゾーンである。

メリッサ(もどき)は、明らかな偽和である。しかし、悪くはない。理由は二つ。1.安い
2.香りは本物には及ばないが、さして遠からず、「まあ、我慢できるか!」といったところ。
許せないのは、ラベルが学名含め「100%Pure Essential Oil」と、本物であるかのように作っていること。(ここでお断り:偽和とは私の見解。販売元から「本物だ」と言われれば頭を下げるしかない。「ごめんなさい」。だから、販売元は書きません!)
実は、5ml / 900円の代物。「偽和です」と謳って売った方が良いと思うのだが・・・・

当然当初は、疑わしくも判断材料もなく「ニセモノ」の確証もなかったので「???」の状態だった。しかし、Jell(ジェル)で 0.5ml / 480円 のメリッサを購入。で、問題のメリッサは多分レモングラスに少量のメリッサを加えたものだろうと確信した。
Jellのものが本物である確証はもちろん無いが、蜂蜜レモン様の胸に食い込んでくる香りはその越えがたい落差を物語っていた。
しかし、それを突き止めるまでの過程は、なかなか楽しいものであったことは確か。ニセモノさん、ありがとう。

ミモザは未だに悩んでいる。
実はこれ、なかなか良い。いつ嗅いでも、ドキッとする様な、甘く複雑な、且つフレグランス様(なんだ、それ?)の香りを持っている。ちょっとした私の宝物。
しかし、これが頭を悩ませるグレーものであるのだ。

品名:ミモザabs,精油 / 学名:Acasia tenuiflora  / 科名:マメ科 / 原産国:インド / 抽出部位:花 / 抽出方法:揮発性有機溶剤抽出法

一般的にミモザの学名は、Acaica mirensi である。Acasia tenuifloraで検索しても、以下の情報しか得られない。精油のことはどこにも書いていない。
http://en.wikipedia.org/wiki/Mimosa_tenuiflora
むしろ、怪しげな記述もありで、「これってダイジョウブ?」なのだ。

実は、ほかにミモザと名乗るエッセンシャルオイルは持っていない。でも、Acaica mirensi は、生活の木で香りを確認したが、全く違う香り。

未だに結論のでない抱え込んでしまった課題でした。

実は、この手の話はたくさんある。化学合成品の話、天然だけどブレンドしたり、特定の成分だけを足したり引いたり、再蒸留したり、産地の問題、部位の問題、そして安全性の問題、と。本物とニセモノのあいだに大きな落差はなく、実になだらかな傾斜を持っている。そんな話は追々書いていきたい。

最後に一つ、このブログ記事のコンセプトだが(なにおいきなり!・・・)、私は自分の鼻を信じることにしている。かといってブレンダーのような鼻を私が持っているわけではない。
なぜ、ここでいきなりそんなことを言うかと言えば、ここでの判断基準に、書籍や他のサイト情報を持ち込みたくないからだ。例えば、アロマ入門の本に書いているイランイランの精油評価には、心への作用として「心の内側からほぐして気分を高揚させ、多幸感ややさしい気持ちをもたらし安定させる。」、アンジェリカルートでは、「逆境や意のままにならない状況にあるとき、心を慰め安らかにする力がある。不屈の精神を養い、内なる強さ、・・・・・まじめすぎる人、良妻賢母でありたいと思う人、戒律を守り世俗的で物質的な欲求を抑圧して悩んでいる人を整える・・・・」と。そんな、ピンボイントで作用するものなのでしょうか。

どうやら、どこかから借りてきた文節の組み合わせをやっているようで、体験や実験、科学的裏付けなどは何もなく、委託された名も無きライターが文章を作り、有名なアロマセラピストの名前を付けて売っているだけのものが多いように感じる。科学が万能だとは思わない。この手のものは、体験的裏付けが最も重要なのだと思うのだが、間違いの経験も踏まえ、自分の体験と裏付けで書かれた書籍は無いように思う。(一部の古典的名著は別とする。)

つまり、私は私の経験と体験と失敗を基に、私の言葉で書いていきたいと思うのだ。・・・と、ちょっと一発ぶってみましたとさ!

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