勘違い-その後

前回の記事「勘違い」で、ジンジャーを咳止めとして試してみることとしたが、その報告をする。見事!ひどい咳は止まりました。
2日程の処置で、2度、サイプレスとのブレンドを就寝前に胸に塗った。濃度は10%と高めである。以後はジンジャー抜きの、サイプレス、ユーカリ等のブレンドに戻し、都合2日程の処置となった。
で、肌刺激についての結果だが、これも見事に、赤いぶつぶつとカユミが胸部全体に広がった。10日たった現在、収まったが、ここに追加で何かを塗る勇気はない。1月ほどは、肌の回復を待ちたい。
咳は止まったので良しとしたいが、塗る塗らないは肌とのせめぎ合いで決められるので、少々シビアな選択となる。

私の肌は、何度か肌荒れを起こしているので、敏感になっているのだろうと思うし、今回の結果を一般事例としてとやかく言うことはやめにしたい。
ただ、最低限言えることは、ジンジャーを使用する場合は肌リスクを必ず織り込んだうえ対応してほしい。
そんなにひどい咳でなければ、ティーツリー、サイプレス、ユーカリ、ローズマリーで切り抜けるのが最善の処方ではないかと思う。
もうひとつ。咳は止まったが、「ジンジャーが効いた」と結論づけることはできない。ジンジャーを入れなくとも咳は止まった可能性もあるからで、ここは「ジンジャーが咳に効いた可能性がある」に留めておきたい。

さて、「ジンジャーが咳に効くのか?」は、見事に私の勘違いで終わったのだが(しつこいようだが、「肌荒れ」というオチがつく可能性があるので、使用は慎重に)、エッセンシャルオイル、アロマセラピーの最大の勘違いについて言及したい。

「エッセンシャルオイルは良い香りである」は勘違いである!

市販されているアロマセラピーのエッセンシャルオイルへの評価に「芳香浴には適さない!」との記述を見つけ出すことはほとんどないといってよい。
たとえばキャロットシードでの言及では、まず間違いなく適する使用方法は「芳香浴」である。しかし、はっきり言ってキャロットシードは「臭い」。私はにんじんは嫌いではないし、良く生でボリボリやるくらいなのだが、このオイルの匂いはいただけない。いつか良く感じるようになるのではないかと思い、一年ほど(時々だが)使い続けてみたが、顔をそむけるほどではないが、「うっとり」することはいまだ無い。

aromanet-jp.comのキャロットシードを見ていただきたい。さすがに「臭い」とは書いていないが、芳香浴には適さない旨の記述がある。
そう、これが普通なのだ。たとえば、ティーツリーに対しても「可能ですがすすめられません」となっている。私は「良い香り」と思っているが、人に対しては「薬臭いけど慣れると思うよ」と勧める。
アロマセラピーが香りを楽しむためのものという固定観念が日本におけるこの世界を支配しているように感じる。全てが「芳香浴」に適するかのような、「芳香浴」以外の使い方にベールをかけるような記述は問題が多いと思っている。

勘違いされやすいエッセンシャルオイルの幾つかを私の知りうる範囲で取り上げよう。

ユーカリ・シトリオドラ(ユーカリ・レモン)・レモングラス これらのオイルは、アルデヒド類のシトラールを多量に含み、レモン様の香りが強いと言われているが、決してレモンと同一の成分ではない。そして、多分に苦手の人が多いオイルでもある。購入時には決して期待度を上げないよう忠告したい。

クローブ(丁子)・クミン・シナモン・ナツメグ等香辛料系のオイル 程よく調合されたカレーの香りが腹の空いた昼時に漂ってくるのなら、食欲を増進させる、たまらない香りといえる。しかしリラックスを期待して身に纏わせるには、実に不適切な香りといえる。クローブは人によっては歯科医を連想させる。抜歯等の処置前の麻酔の匂いでもある。また、シナモン・ナツメグは連想させるスイーツの香りからは程遠いものとなる。

バーチ(樺)・ウィンターグリーン この二つのオイルにはサリチル酸メチルが高濃度に含まれている。つまり、サロンパスなどの湿布薬と同じものである。炎症を抑える良い薬ではあるが、使用方法を間違えると、逆に炎症を引き起こす原因にもなる。一度パーチを試したことがあったが、ひどい炎症を起こし即座にやめた経験がある。湿布薬で炎症を起こした経験はないので、多分に私の配合ミスだったのだと思う。
サロンパンの香りがこの上なく好きな方にはおすすめかもしれないが、酔狂で楽しむ向きにはおすすめだが、ラベンダーやオレンジを連想して購入してはなりません。そして、抗炎症剤として使う用途には注意が必要だ。

コパイバ これは驚きだった。香りは確かにあるが、原液で確認してわかる程度のウッディーで甘く香ばしい香りである。しかし、キャリアオイルで薄めると消えてなくなるほどの「奥ゆかしい」ものである。疑問に思って別のメーカーのものも購入して香りを確認したが、香りに多少の際はあってもその強さはよろよろしいものであった。
何に使えるのか、暫し悩んだが、保留材としての使い道が適切かと思う。よく、ベンゾインが保留材として使う処方があちこちで見られるが、あの強烈な甘い香りは保留材としては実に邪魔な存在となる。コパイバならそれはより適切である。
比較的安価に入手できるので、これも酔狂な方は一度お試しを。

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