メディカルアロマとしての可能性について

円安が進んでいる。
輸出が主力の大手企業にとってはありがたいことかもしれないが、原油や食料の多くを輸入に頼っている一般国民にとっては、ありがたくない話だ。

エッセンシャルオイルのほぼすべてが輸入品目なので、これもいずれ値上がりするのではないかと思う。これもありがたくない話しだ。

201304oil

使用頻度の高い精油は、100mlか50mlか、あるいは30mlで買うようにしている。

何故、使用頻度が高いかと言えば、メディカルアロマとしての価値を見いだしているからだ。
私は若い頃から呼吸器の不調に悩まされてきた。風邪を引きやすく、たいてい激しい咳を伴い、時に出血を含む気管支炎、肺炎も併発させてしまう。
しかし同時に、病院に金を掛けるのも癪で、他の手立てを探す中でアロマに出会った。
男性が「アロマ」に出会うタイミングは極めて低いと思う。なぜなら、「アロマ」と「化粧品」は同じものと思っているので(もしかしたら私だけ?)、端から「縁なし」と思っているので、自然と避けて通ることになる。香水売り場で鼻をひくひくさせて歩くオヤジは絵にならない。

しかし、「必要性」はその壁を越えてしまう。インターネットで咳を鎮めるお茶(ハーブティー)を探す中で、ホーリーバジルを買い求めた。

201304oil02[ラベルは、こぼれたオイルで消えてしまった。]

3年前に購入した初アロマ、ホーリーバジルだ。但し「どこが?」だ。当時はまったくの無知識だったので、疑うことなくそう思っていたのだが、今にして思えば、一般のバジル(Ocimum basillicim)とさほどの違いはない。さらに学名が表記されていない。販売元が輸入雑貨屋的サイトだったので「なるほど」である。違いといえば、このホーリーバジルは10ml/3,000円であったが、後に購入した只のバジルは10ml/280円であった。
しかし、男であるゆえんのアロマの壁を突き破った功績に免じて不問とする。

当時、出血を伴う激しい咳で苦しんでいたので、(たとえ只のスイートバジルであっても)これに助けられたのだが、疑い深い私は、本当にこの精油で咳が改善したのか?、もしかしたら(これを用いずとも)従来の回復力で改善したのか、その確証はなかった。で、その確証のために色々と買いそろえることとなったのだ。

前置きがいささか長くなったが、要するに「メディカル」を主目的として、このアロマの世界に踏み入れたのだ。「香り」はずうっと後の話である。

承知のように、日本の法律ではアロマ(精油)は医薬品でも、医薬部外品でもない。只の雑貨である。故に、効能を謳ってはならない。
アロマ関連の国内で書かれた入門書は、言及はするが深くは触れない。効能は表記するが、具体的使い方には深くは触れない。
例えば、原液使用は一律に「してはいけない」と書く。キャリアオイルとの混合割合はこれも一律に1~3%以内と、超安全圏に留めている。
しかしこのような、健康管理への可能性をほのめかしながらも具体的な記述を避けた表記は、むしろ危険を孕んでいる気がする。

そもそも、永くヨーロッパで健康管理に使われてきたアロマセラピーを「雑貨」の範疇に留め放置してきた日本の法に問題がある。しかし、この問題を掘り下げる気はない。私の対処方法をここでは紹介したい。

■ 呼吸器疾患への私の対処

最初はホーリーバジル(ならぬ只のバジルスイート)から始まった呼吸器対策(気管支炎)は、ユーカリブログルス、ティーツリー、ベンゾイン、ローズマリー、ラヴァンサラ、サイプレス、等々とつづく。
実は私はてんかんを抱えており(発作を起こすと大事になるが、起こさない為のコントロールがほぼ出来ているので生活に支障は起こしていない)、ユーカリやローズマリーには当初及び腰で、使い始めて1年目くらいにはティーツリーに落ち着くこととなった。つまり、一般的解説書では、ユーカリやローズマリーは禁忌となっているからだ。
しかし、どの程度の使用で病を呼び起こすかは解らないし、そのガイドラインも示されてはいない。全く使ってはならないのか、試す価値はあるのか、役立てるためのヒントも手がかりもない。アロマセラピーの一般書籍には、検定のための情報はあっても、生活や健康に役立てるための情報は無いと言っていい。

そして、実際に自分の身体で試みることにした。ティーツリーは安全という情報はあったので、経口摂取を含めこれを主体的に使い、ローズマリー、ユーカリ、そしてサイプレスを併用またはブレンドして使っている。

そのおかげかどうかは解らないが、普段でも咳き込むことが多かった日常が、ほとんどと言っていいほど咳き込むことが無くなった。また、息を絞り出すように吐き出した後に伴う咳き込み、呼吸器のかゆみ、等が圧倒的に少なくなった(全く無くなったわけではない)。もちろん個人差があるので、万人に有効であるとは言えない。しかし、試してみる価値はあるとおもう。
くどいようだが、一般書籍にはメディカル利用時は「医者の指導の元」と書いているが、これもナンセンスといえる。そんな病院がどこにあるのか!、責任逃れの免罪符だろう。

試すことは簡単ではない。精油を色々と買いそろえ、信頼できる販売元を絞り込んでいかなければならない。すべての精油が純正の天然物であるとは限らない。頼りになるのは自分の鼻と経験と比較である。そして、販売元の信頼性に重きをなせば、経費が膨大に掛かる。
すでに紹介した販売サイトは極めて安価に入手できる所だが、これも私の経験を元にしているので鵜呑みにして欲しくない。その一つである「エッセンシャルオイルのJell ( http://www.eojell.com/ )」はサイトでかなりうるさく言及している。そうしたリスクを踏まえて試してみる価値はあると思う。
参考になるサイトを紹介しよう。日本エステル社( http://www.esters.co.jp/ )のサイトだ。ホリスティックアロマセラピーのための精油研究( http://www.esters.co.jp/culture/research/index.html )と、エッセンシャルオイルの特性とセルフケアレシピ( http://www.esters.co.jp/selfcare/index.html )は参考になる。
ただし、ここで購入するには経済的ゆとりが必要だ。ティーツリーで言えば、10mlで3,045円(Panacea Pharma)だが、ナチュラルローズ( http://www.aroma-espoir.com/index.html ) での価格は、100mlで1,400円である。この違いには戸惑いを感じる。しかし私には、この両者の違いは判別がつかない(両者といってもPanacea Pharmaとの比較ではない。一般的な10ml/2000円程度のオイル-生活の木やカリス成城等とナチュラルローズやJELLとの比較)。ちなみにナチュラルローズでの10mlの価格は280円だ。3,000円あれば色々な精油を5本から7本は購入できる。

試すためには、購入して試すという情報の収集が必要となる。後はコスト管理だけだ。そんな時間は無いという方は地元の医者に掛かった方が正しい選択となる。

最後に、呼吸器疾患の為に私が日常的に調合しているブレンドを紹介する。

サイプレス 1
ティーツリー 1
ユーカリ・ラディアータ 1
ローズマリー・シネオール 1
 上記混合物をキャリアオイル(ホホバ等)に1%~10%加える

サイプレス、ティーツリーの香りは、正直初心者には「心地よい」香りとは言えない。悪くはないが良くもない。薬臭いといった方が適切だ。だから、ユーカリかローズマリーを香り付けをかねてブレンドした(なお、サイプレスはブレンドによって香りの表情が大きく向上する)。
ただ、甘い香りなら何でも良いわけではない。例えばローズやジャスミンそしてベンゾインなどを試してみたがお勧めできない。日常的に使うブレンドなので、甘い香りは時にくどく感じてしまう。ただしラベンダーは合うかもしれない。女性は別なのかもしれないが、私にとっては甘い香りは「時々」がベストだ。
ブレンドの配合は適当である。この内2つの場合もあったり、3つの場合もあったりする。また、症状が厳しい時はユーカリラディアータをグロブルスに替えたり、サイプレスを多めにしたりしている。
これを、キャリアオイルに対して5%から10%の割合で希釈し、胸、肩、腕にぬって使っている。
初めての方は、1%の希釈から始めるのがおすすめだ。当然、自己責任である。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする