呼吸器疾患とアロマ

メディカルの視点でアロマを捉えた場合、なんと言っても目に見える恩恵は呼吸器疾患だろう。風邪による咳、鼻づまり、喘息など、「効きます」とは言えずとも、「試してみれば」と、安心してお勧めできる。

一般的に呼吸器に良いと言われる精油は、ユーカリブログルス、ユーカリラディアータ、ティーツリー、ラヴァンサラ、サイプレス、ローズウッド、ローズマリー、ファー、フランキンセンス、タイム、ニアウリ、パインニードル、ベンゾイン、レモン、ライム、バジル等がある。
この中で使いやすいものをチョイスし、ブレンドして使っている。メディカルアロマとしての可能性についてでも紹介したが、それを含めて「使いやすい」精油を幾つか紹介する。

ティーツリー (Melaleuca alternifolia) なんと言っても使いやすさNo1。
香りは「心地よい」とは言えなく薬臭さが伴うが、長期連用、周囲への気遣いを考えると「妥当な香り」と言える。私はこれを小分けした瓶を常に持ち歩いている。
ユーカリラディアータ (Eucalyptus radiata) 香りは強めで、とても良い。公衆の場に持ち出す時は少々注意。
長期連用を想定した使い方に適しているとおもう。
サイプレス (Cupressus sempervirens)  香りはそれほど主張はしないが、呼吸器疾患には適している。しかし、リスクデータは少なく、連用は注意しながらが良いと思う。ただし、私はジャブジャブ使っている。
ローズマリーシネオール (Rosmarinus officinalis)  ローズマリーは香辛料の系列だが、グリーンの香りの位置付けが適切だろう。
ラヴァンサラ (Cinnamomum Camphora)  ラヴァンサラは入手が難しい。傾向はティーツリーに近いが、少々高額なので強くはお勧めしない。しかし私の第一のお気に入り。
パインニードル (Pinus sylvestris) パインスコッチ、ヨーロッパアカマツともいう。
ウッディーな香りと、抗感染作用を併せ持つ。価格的にも比較的入手しやすくお勧めだ。
ファーニードル・バルサム (Abies balsamea) モノテルベン炭化水素類が75~90%を占めている。甘い香りが強く、私のお気に入りでもある。しかし、主体的に多く使う精油ではない。
ファーニードル・シベリア (Abies siberica) ファーニードルにはシベリア、シルバー、バルサムが流通している。いずれも甘い香りを持っている。もう一つ、北海道のトドマツを原料にした和精油モミが生活の木から出ているが、使ったことはない。
シベリアは軽い甘さをもち、香り付けにブレンドするのがよい。
ニアウリ (Melaleuca viridiflora) 1.8-シネオールが50~60%を占め、ユーカリ、ローズマリーと近い作用を持っている。例えば香りが「ユーカリは強すぎる」と感じた時は、これを主体的に使うことも方法の一つだが、ユーカリほど安価ではない。
バジルスィート (Ocimum basilicum) どちらかというと「不安」要因を解消するのに有効。精神的バランスを取る効果が高いのだろう。但し、特有の香りがあり、ブレンドする分量を注意されたい。

「使いやすさ」の基準は、入手価格、連用に伴うリスク、周囲への気遣い(たとえ良い香りでも、甘い香りを頻繁に周囲に漂わせるには度胸が要る)、入手の容易さ等である。
香りは、たとえよい香りでも、長期に使うには適さないものもある。もちろん個人差はある。

上記のリストは、この「使いやすさ」に配列してある。
なんと言ってもティーツリーはベストだ。しかし、単独での香りはお世辞にも良いとは言えない。薬臭い。しかし慣れとは怖いもので、私の中では今では心地よい香りとなっている。「男」であるゆえんか、甘い香りを回りに振りまくのには気遣いが過ぎる場面が多い。安心して使える香りといえる。
オーストラリアの軍隊がかつて(かなり古いかつてだが)常備薬として所持させていたそうだ。そんな逸話も気持ちの支えになって、私も常時持ち歩いている。

さて、呼吸器疾患への対策として選択肢を持たせるために上記リストを掲げたわけではない。出来れば、必要とされる方には、上位から5本、6本は揃えて欲しい。
何故か。
呼吸器疾患は長期の連用を強制される。
私も同様だが、一度こじらせると長期に渡って、咳き込み、痰、鼻づまり等に苦しめられる。どうしても長期連用をせざるおえない状況となる。そうした状況には、複数の精油の使い分けが必要となる。

例えば

ティーツリー  4
ユーカリラディアータ  1
キャリアオイル(マカダミアナッツオイル、ホホバオイル等) 上記ブレンドを1%~5%で希釈

この配合で、夜寝る時に胸に塗る。キャリアオイルとの配合バランスは最初は1%程度からスタートすると良い。いずれ香りを感じなくなるので、都度増やしていけばよい。まあ10%が上限でしょうか。
あるいは、配合を替える。ユーカリラディアータをローズマリーに替える。あるいは追加する。
ティーツリーをサイプレスまたはラヴァンサラに替える。あるいはティーツリーが2、サイプレスまたはラヴァンサラを2にして、これに他の精油を1加える。
ファーニードルのバルサムやシベリアは独特の木特有の甘い香りが特徴で、これを香り付けとして用いるのもお勧めだ。

いろいろ試す中で、就寝時用、外出時用と場面場面で単品、ブレンドと様々なバリエーションを用意し、その中で同じ精油の連続使用にならないよう注意し、この楽しい工夫が、結果として体質改善への道のりとなるのではないかと思っている。

上記精油は、傾向としてはどれも森林系の香りで、この中ではどれとブレンドしても合う。甘ったるい官能性は無いが、全身で味わう森林浴を体験できると思う。

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