中国の「香り」2

中国茶に填まったり、カメラを新調したこともあって、ヤフーオークションやGoogleで安物含めていろいろ購入した。おかげで、いろいろ怪しげなものに出会いこととなり、そのいくつかの顛末をここに紹介する。

◆カメラグリップの安物

最近購入したカメラは、SONY α6000、NIKON J3の2台。それに若干の交換レンズ。α6000が本命で、J3は付け足し。年齢とともに1眼レフを持ち歩く気力がなくなり、ミラーレスの使い勝手を確認したく、まずはα6000を店頭で確保し、ファインダーの無いカメラの使い勝手を確認したかったので、J3をヤフーオークションで購入した。

DSC_2520sカメラの使い勝手はここでは触れないが、NIKON J3 は小さいのは結構なことなのだが、何とも持ちにくく、ストラップ等での工夫を重ねてきた。で、材料の一つとして、たいして調べもせず

glipphoto02こんな大げさなものをヤフーオークションで入手した。送料を含めると800円程度。今はアマゾンでも見かける。
到着して驚いた。部屋中に蔓延する強烈な化学塗料の香り。相当昔には出会ったことのある香りで、即座に窓を開けしばし考え込む。とてもこのままでは、使うことも、家の中で保管することも出来ない、健康を損なう香りなのだ。アルコールで拭いても取れないので、ビニール袋にアルコールを入れ、特に強う匂いを放っている金具部分を漬け込み洗浄した。その結果が次の写真だ。

_DSC0127アルコールは黄色く変色し、それでも匂いは消えないので、ゴムラバーを剥がし、アルコールで緩くなった接着剤を拭き取り、何とか我慢の域内にたどり着いた。
さあ、別の接着剤を使って再生しようかとも思ったが、意味なく大きく、何とも不細工で、結局ゴミ箱行きとなった。

さて、本日届いた商品だが、

DSC1026mアマゾンで購入したのだが、商品を開いた途端、同じ匂いに襲われた。以前ほど強烈ではなかったので、洗剤を付けて水洗いした。匂いは残るが我慢して使うこととす。

たぶん、化学薬品使用に規制のある日本で作られたものでないことはすぐにわかる。そして、中国製という証拠もない。しかし、たぶん中国製だろう。機能性に基ずくデザインのかけらもなく、ある程度形を成しておればよいという魂胆に満ち溢れた商品と言える。

◆中国茶器の安物

本当に安物だったのか根拠はないが、これは安物以下であり、「古物」とはいえ再販する日本の業者のモラルも疑ってしまう。

_DSC0907ヤフーオークションにて、1000円+送料で購入したものだが、かつてないほどひどかった。まず、茶壺が欠けていた。かけた破片が全体に散らばっていたので「確信犯」と思う。

_DSC0909次に、「この絵柄は何か?」。

_DSC0913熱湯を注いで解った。熱で色が出るもので、昔は日本の観光地でも見かけたものだ。
しかもシールで、指で擦るとボロボロとはがれた。

_DSC0910しかも底の整形が汚く、茶壺も茶海も座りが悪い。姿がダサい。
そして極め付きは、「臭い」。これも化学塗料の匂いである。これもゴミ箱行だ。

◆中国茶の安物

中国茶には実に多くの種類がある。日本茶も玉露や番茶、芽茶などいろいろあるがいずれも「緑茶」の範疇に入り、例外的に高知県の碁石茶は、中国茶での「黒茶」に分類される。
それに比べて、中国茶は、緑茶、白茶、黄茶、青茶、紅茶、黒茶、花茶があり、有名なウーロン茶や鉄観音茶は青茶の中の一品種である。だから、填まってるといっても中国茶という広大な海の中の磯辺の潮溜まりで水遊びをしているようなものだ。

それでも、良いお茶、不味いお茶の輪郭は見えてきて、その貧弱な知識を持って「偉そうなこと」をひとくさり述べるつもりだ。

_DSC1024写真のお茶はいずれも青茶で、左右に3煎程出した後の茶葉を置いた。中心の皿はそれぞれのお湯を注ぐ前のものである。

左が「黄金桂」で中国福建省のウーロン茶の一品種。茶語(という中国茶専門店)で70g750円程のもの。右が在所不明の中国-シンガポール-日本とわたってきた青茶。古沱茶という一回分を固めたもの。

簡単に言って、左が良心的でおいしいお茶で、右が怪しげでまずいお茶ということになる。すでに述べたが、左の黄金桂はデパートに出店している中国茶専門店から購入した。一方、右の古沱茶はヤフーオークションで入手した。

黄金桂に限らず、ウーロン茶にしても鉄観音にしても青茶はお湯を含むと、元の茶葉の形を取り戻し、茶壺の中で大きく膨れ上がる。左の山盛りは中央皿左の茶葉5gの量のお湯を含んだ姿である。一方、固形の古沱茶5gのお湯を含んだ姿が右のものである。

中国茶には一定の苦みと渋みがあり、これが人を虜にする一つの要因かもしれない。もちろん人の味覚はそれぞれなので、あくまでも私個人の感想だ。で、この苦みは、風呂上りに飲むビールの咽喉元で味わう苦みにも通じるものがあると思っている。1煎目、2煎目で香りと苦みを楽しみ、以降うま味甘味が姿を変えて出てくる。

一方、右の古沱茶は、刺激性の強い苦みで、茶の出し殻に火を入れたような味で、慣れるにはつらいものがある。何よりもお湯を入れても膨らまない。(茶ではない)別の代物というわけではないようだが、茶葉が細かく崩れているところを見ると、茶のくずをかき集めて作ったものと思われる。しかし味は、それだけではない異質性を持っていた。

◆今の中国について

ネットオークションで購入した中国茶は5人(社)程度から落札してはずれが1人であった。それもある程度予想はできたので、結果としては上々だ。中国茶器はもっとひどかった。作りは悪いし、臭いし。香りを楽しむ食品を扱うという認識に基本欠けている。中国茶の苦難はまだまだ続きそうだ。カメラ機器は全敗だ。

中国について苦い話ばかりになりました。しかし、私は嫌中ではないし、劣った国とも思っていない。なにせ、私個人、昔はいろいろとお世話になった国で、色々なことを教わった国でもある。

しかし今、迷路に足を踏み入れているのではないかと思っている。「衣食足りて礼節を知る」は孔子の言葉です。日本に来て、しろしろ粗相をするのは、一定経済的事情が絡んでいます。ある程度年配の男性は知っていることですが、「キーセン観光」といって浅ましい姿を世界にさらしていたのはチョト昔の日本人です。経済的に満ち足りた国が、いまだ貧困にあえぐ国を、対等の立場で評価すべきではないと思っています。
かつては「学ぶ先」としての長い歴史を持った相手です。遣隋使、遣唐使を受け入れ、多くの文化を伝えてくれた国です。いまこうして綴っているスクリプトも中国に教わった漢字が基本になっています。そのような国を、狭い時間軸で「劣っている、優れている」で評価をしてはならない。

そんな中国ですが、歴史も国土も経済規模も日本とは桁違いに大きい国。抱える矛盾も解決に至る道のりも大きいものと思っている。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする