アミリスでブレンドを楽しむ

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1.5ml程度しか入らない、ガラスのサンプル瓶。

2年前にブレンドしたもの、最近ブレンドしたものを、昔のフイルム缶に入れて保存している。保存といっても、時々開けては香りを確認し、気に入れば少し使い、無くなればそのまま瓶を洗浄し、新たなブレンドを追加したりして使っている。

何と何をブレンドしたかのメモは瓶に張ってあるが、時にはメモを取らなかったものもむある。最近は配合割合まで省略。ましてや、ブレンド日などの他の情報は皆無である。
しかし、これはこれで楽しい。あやふやな記憶をたぐり寄せ、「何と何のブレンドだったか」、「配合はどれくらいだったか」、そして、ブレンドした時の香りの記憶と、現在の香りとの比較を、思い出しつつその変化を楽しんでいる。
いや、香りが変化したのではなく、私自身の感受性が変化したのかもしれない。

シロウトが挑戦して、長々とお気に入り状態が続くブレンドには、なかなか出会わないものだと思う。一般的なパターンは、足せば足すほど訳のわからない香りになっていくというパターンだろう。そうしたものは、その場でお釈迦にするのだが、気に入ったブレンドや、「もしや」と時間の経過の中で変化が期待できるもの、期待してしまうものは、こうしてフイルム缶にいれて保管しておく。
だから、この中は比較的「お気に入り」のものばかりである。

このブレンドサンプルの中で、一番私を驚かせてくれたものが、以下のブレンドだ。

パチュリ 2
ナルデ(スパイクナード) 2
ライム 2
レモン 2
ベンゾイン 0.5

パチュリやナルデのような強い個性を持ったオイルに、強靱さを付加する香りになった。
そもそも、レモン系の香りは「やや苦手」なものだったので、やけくそ的に作ったものだが、数ヶ月経っての香りは、私にレモンの使い方を教えてくれたブレンドだったといえる。
ベンゾインは余計だったかもしれない。最低、パチュリ+ライム+レモンでもいけるかもしれない。ナルデは入手が難しい。

このブレンドの遊びの中で、最近入手したアミリスは、新たなブレンドの手法を私に教えてくれることになった。

ブレンドを試みた最初は、個性と個性の混合が基本スタイルといえた。サイプレスとフランキンセンス、ラベンダーにガルバナム、ベルガモットにカモミールローマンと、違う個性の融合だったり、対立だったりと、ほぼ対等の関係の可能性を探る作業といえる。

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アミリスは「西インドサンダルウッド」とも称される、比較的サンダルウッドを連想させる香りを持っている。しかし、その香りは強くはなく、他のオイルとブレンドすると「間違いなく負ける」香りだ。
つまり、対等の個性をぶつけあうことが出来ない。

しかしアミリスは、ブレンドした精油の個性を持ち上げる特性を持っていることに気付いた。例えば、

アミリス 5
フランキンセンス 1

ブレンドして6になったフランキンセンスは、トップのシャープな切れ味はゆるくなったが、オリエンタルな香ばしさは強くなった感じがする。
この他、プチグレンだったり、サンダルウッド(まさしく偽和?)だったり、カユプテ、シダーウッド、ファーバルサムと、ブレンドする精油の個性に若干の甘みをつけ、香りの土台を持ち上げる特性を持っている。

これはなかなか面白い。

一つの精油の特徴を深く知るために、その2~5倍量のアミリスにそれを加える。すると、その香りを大きく壊すことなく、香りの幅を広げて見せてくれる。例えば、ブレンドする精油の香りを壊すことなく、保留剤の役割を果たし、トップの香りを強め維持してくれる。「薄まった」という感じがしないのだ。

以前は、コパイバにこの効果を期待していたのだが、どうしても「薄くなる」感があった。よって使用頻度は低かったのだが、アミリスはその部分がコパイバに比べ大きく違う。
ただ、粘度が比較的高く、混合するのに若干手が掛かる。ドロッパーは付けておくと絶対出てこない。外すにかぎる。

一見、エッセンシャルオイルを希釈剤として使うかのように見える、贅沢な使い方だが、例えば高価なローズオットーやローズアブソリュートを、このように使うとかなりな経済的節約に繋がるかもしれない。

しかし、「お勧め」はするが、「責任」は取りませんので、あしからず・・・。

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コメント

  1. みゅう より:

    個人的にアロマを楽しむ者です。
    偶然貴サイトを見つけ、過去記事含めて読んでいます。とても参考になります。
    これからも更新楽しみにしています!
    暑い日が続きますが、呉々もお身体ご自愛ください。